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書家
田坂州代
日本酒「敷嶋」ラベルの受注から完成まで(クライアント+書家+デザイナーの恊働の過程)

美味しいお酒を飲む前に、必ず目にするのがラベルですね。クライアントさんと書家はこんなふうにお仕事のやりとりしてます。実例でご覧いただきましょう。

伊東株式会社
https://shikishima-ito.com/

特別純米無濾過生原酒「敷嶋0歩目」力強く濃いお味で微炭酸。二〇二〇年四月発売。

特別純米無濾過原酒(火入れタイプ)は二〇二〇年六月発売。

「敷嶋」という銘酒は、天明八年創業の歴史ある蔵元のお酒。しかし残念なことい平成半ばに酒造りから撤退。途絶えてしまったご実家の酒造りを復活させようと、当代(九代目)伊藤優さんが大手通信会社を脱サラ。一から酒造りの修行を経て、初めて自らのブランドとして醸造なさったものです。今回は他社の施設の一部を借りての醸造で、自社の蔵での醸造の第一歩へ向かう0歩目という命名。伊東さんの真摯な姿勢そのままの、力強くそれでいて雑味の全くないキレイなお酒です。
https://note.com/shikishima_ito/n/ne8edc3242b0a

【ラベルの完成まで】

蔵元の伊東さんからラベル作成のご依頼をいただき、
つぎの3つの選択肢からAパターンに決定。

A ロゴを書す+ラベルデザイン+印刷
B ロゴを書す+ラベルデザイン
C ロゴを書す

・先祖から代々続く流れを表現してほしい、
・桜のモチーフをどこかに入れてほしい、

というリクエスト

頂いたリクエストに基づき、書家の田坂と、デザイン事務所 Cauz(コーズ)とが組んで、クライアントへサンプル提案。
試案では桜の木の絵を用いたデザインも提案しましたが、最終的にはシンプルな案が採用されました。

「敷嶋」の酒銘の由来である
「しき嶋のやまとごゝろを人とはゞ朝日にゝほふ山ざくら花」
という本居宣長の和歌にちなみ、これまで代々桜のマークも用いていらしたことから、ワンポイントの桜のマークも新調致しました。
余白を活かしたデザイン、またこれから歩み出す決意を示す、0歩目の0の部分も毛筆書で、さらに銀の箔押し印刷で品格を演出。
印刷会社の選定、印刷発注、納品まで私共で行いました。ラベルの表裏のみならず「タスキ」とよばれる、千社札状のシールのデザインも私共が手掛け、これはクライアント様の社内プリンタでシール印刷されました。

クライアント:伊東株式会社
アートディレクション:Cauz 芝哲也
制作時期:二〇二〇年三月
分類:作品提供、題字

参考
過去の別件【日本酒ラベルの事例】
http://kuniyotasaka.jp/blog/純米吟醸「寿限無」/
こちらはロゴの書のみ受注で、クライアントさんが懇意のデザイナーさんとラベル作成。

 

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