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書家
田坂州代
ドナルド・キーン・センター柏崎

かねてより訪れたいと願っていた新潟県の「西生寺」と「ドナルド・キーン・センター柏崎」へ伺うことが叶いました。
なぜ訪問を願っていたかといいますと、『弘知法印御伝記』という浄瑠璃の復活上演についての記事の取材執筆を担当させていただいたことがきっかけです。

・新潟市民で越後猿八座結成 人形浄瑠璃「弘知法印御伝記」300年ぶり復活上演(邦楽ジャーナル2009年3月号
・ドナルド・キーン氏が三味線奏者と養子縁組(邦楽ジャーナル2013年6月号
・古浄瑠璃、ロンドンへ里帰り 大英博物館で発見 『弘知法印御伝記』人形付き上演(邦楽ジャーナル2017年4月号
・ブログ 音を見る39「古浄瑠璃」

写真は二〇一三年撮影、左から越後角太夫さん(先生のご養子)、キーン先生、田坂。

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『弘知法印御伝記』は貞享2年(1685)に出版された古浄瑠璃。現在日本では原本の残存が確認されておらず、現早稲田大学名誉教授の鳥越文藏氏が1963年に大英博物館で発見。鳥越氏と親しいキーン氏からこの作品の存在を教えられた越後角太夫さんが300年ぶりの上演用に復曲したのです。浄瑠璃本で詞章は残っていても音楽は伝承されていないため、現行の義太夫節の中に残る、土佐節、説教節など古浄瑠璃系の節や、佐渡の文弥節の古い録音などをもとに節付を行ったそうです。

弘知法印は実在の人物で、現存する日本最古の即身仏として新潟県長岡市の西生寺(さいしょうじ)に安置されおり、拝観が可能です。
https://www.saisyouji.jp/

 

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「ドナルド・キーン・センター柏崎」は、キーン先生が東日本大震災を機に帰化され日本永住のためにニューヨークを引き払うことにともない、長年愛用した書斎が失われることを惜しんだ人々の働きで、柏崎市に本社を置く大手製菓会社ブルボンの財団が、センターを設立してニューヨークから運んだ家具などで書斎をそっくりそのまま再現展示しています。
https://www.donaldkeenecenter.jp/

館内で撮影した動画は こちら

 

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西生寺

弘知法印様の像に見守られて

お守りの中に収められた紫の小さい布は法印様の即身仏が12年間纏われた衣の一片です

ご由来の看板

キーン先生の書斎の玄関

窓の外にはハドソン川の夕景も再現

壁一面の蔵書(反対側や他の部屋にも沢山)

壁には浮世絵や日本画も