書家
田坂州代
書家 田坂州代について
田坂州代

田坂州代は、観賞用作品はもちろんのこと、舞台、映画、書籍の題字や企業のロゴ、商品のロゴなどの「作品提供」を中心に活動しています。書家と聞いて普通の方が通常連想なさる書道教室の先生ではなく、依頼者の要望に応える書を制作し提供しています。田坂が書を書く際の信条は、単なるファインアートにとどまらず「言霊を書く」、そして「常に絶筆のつもりで書く」いうものです。 

日本は、万葉集の昔から、「言霊を幸(さきわ)ふ国」と言われ、言葉には現実の事象に影響を与える力があると信じられてきました。「言霊を書く」という姿勢は日本の文化に根ざす美意識を踏まえた書の捉え方です。

現視化

書は瞬間と永遠の芸術です。「像を結び、書を記す」、その瞬間に、全身全霊を込めることではじめて、言葉に宿る意味と魂、「言霊」を「現視化」し、一瞬を永遠にかえることができるのだと信じています。田坂自身がかつて大病を患い、命の大切さと儚さを身をもって学んだ経験から、常に悔いがないように、自分の全身全霊を注ぎ込み、一期一会の書を追い求めるようになりました。

共創

同時に田坂は、「共に創ること」も大切にしています。依頼者の意見はもちろんのこと、対象の作品や商品、会社の理念やテーマ、込められた想いやメッセージを受け取り、田坂の筆を通して、書という形に定着させていきます。書家の自己満足に陥らないように、言葉にしにくいイメーズのズレや、少しの違和感、ニュアンスの違いも汲み取り、作品がより良くなるように書き直す再試行も制作の過程だと捉えています。

これまでに、司馬遼太郎原作「燃えよ剣」明治座公演の題字や「手塚治虫浮世絵」など数多くの作品の題字を手がけました。確かな技術に裏打ちされた表現力で、作品の目的に応じて、迫力ある力強い表現からしなやかで繊細な表現まで、自在に操り、その題名や商品名、そして会社ロゴなどが伝えたいメッセージ、その空気感や微妙な機微までも視覚化し、書を通して、形にしています。

伝達

演劇界では、田坂の書いた題字のイメージから、作品に対する、演技者やスタッフの共通認識が生まれ、演技やプランニングがしやすくなると評価され、「田坂が題字を書くとその芝居は当たる」というジンクスまで生まれました。。

実演

また田坂は、国内のみならず海外でも、書の実演、ライブパフォーマンスも多く実践し、広く、日本の文化としての書の魅力を伝え、楽しんでいただいてきました。海外では2012年、パリで開催された「ジャパンエキスポ」にて、日本を代表して、数メートルの大書の実演をし、言葉を超えて日本の文化と美意識を伝え、好評を博しました。

国内では、2010年の地歌の演奏家とのコラボレーション公演や、2011年の演劇公演で登場人物として劇中で書を揮毫。そして、2014年、日本初の早朝フェスにて大書の実演をするなど、他分野との共演にも挑戦し続け、書の可能性を広げています。

講演

講師の立場で講演することもあります。経営者・士業の方々に向けて「書のアピール力」「書による企業や個人のブランディング」についての講演を行い、具体例を幾つもご覧いただきながら、「書がもたらす効用」について学んでいただいています。また、経営者、芸能人、著者など、人から注視される立場の方々向けに筆跡によるパーソナルブランディングの指導も行っています。

略歴

日本大学芸術学部卒、同芸術研究所修了

アートマネジメント研究所主宰

高等学校書道科教員免許、高等学校・中学校国語科教員免許、伝統文化コーディネーター検定上級保持。日本演劇学会会員。文化経済学会<日本>会員。江戸ソバリエ。