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書家
田坂州代
真剣で試し斬り

書家の田坂州代(たさかくによ)です。

生まれて初めて真剣(日本刀)を揮って斬る体験をしました。

慶應大学の日吉キャンパスで行われている、慶應SDMヒューマンラボ主催の公開講座「道の学校」の二〇一九年五月十四日のゲストは居合道、江戸無外流宗家の坂口行成龍凰先生(江戸無外流居合兵法 龍正館)。講義と実際の演武に続いて、受講者のうちの三人(希望者によるじゃんけん大会に勝ち抜いて)が、先生のご指導のもと、実際に巻藁を斬る体験をさせていただきました。

私はこれまで美術刀剣を手にとって鑑賞したことはありましたが(刀鍛冶さんや研ぎ師さん達によるワークショップで、教わりつつ体験)、実際に刀で何かを斬る機会が訪れるとは想定外でした。

 

「道の学校」=慶應SDMヒューマンラボが二〇一七年から主催している公開講座
SDM=慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科

頂いたご指導は
・靴下を脱ぎ素足で、右足をすこし前へ出して足を広げて構える
・刀の柄を握って構える際に、左手八割、右手二割の力配分
・親指・人指し指には力を入れずに、中指・薬指・小指で刀を支える
・腕を伸ばして肘があまり曲がらないように
・刃の七三の辺りがもっとも良く切れるスイートスポットなので、その部分が対象に当たるように
・しっかり後ろまでふりかぶって、ゆっくりした動作で巻藁の斬るべき位置までの軌跡をたどること三回。四回目に斬ります。
・斬り終わったときに、この高さまで振り下ろすように(それより上で動きを止めるのも良くないし、下まで行き過ぎると床を傷め、刃を傷める)。

なんと私がトップバッター。坂口先生のご指導のお蔭で無事成功してほっとしました。想像とちがい、斬る瞬間に対象と刃が当たる衝撃を感じないことに驚きました。おそらく「力づくで斬る」のではなく「上手なだるま落とし」的な、合理的なエネルギー遣いなのだろうと思われます。
むしろ、斬り終わってしばらくしてから、手や腕が、わなわな、ぶるぶるするような感覚をおぼえました。
いやあ、それにしても、望外に貴重な体験をさせていただき感謝感謝です。

つい嬉しくて、そのときの模様をyoutubeにアップしちゃいました。

十七秒バージョン
https://youtu.be/GsuJLPIaSIE

二分半バージョン
https://youtu.be/6fjbp_mQwCM