閑吟集 〇一一/三一一 閑吟集11
老いをな隔てそ垣穂の梅 さてこそ花の情(なさけ)知れ 花に三春(さんしゅん)の約あり 人に一夜(ひとよ)を馴れそめて 後(のち)いかならんうちつけに 心空(そら)に楢柴の 馴れは増さらで 恋の増さらん悔やしさよ
閑吟集(全三一一首)を毎日ひとつづつアップしてます。
毎回即興にてご容赦。
中世のいきいきとした歌謡集「閑吟集」は、相手を想わずにはいられない人間の機微、人生の真髄を突くひと言、そのおおらかさについ笑みがこぼれるおちゃめで色っぽい歌まで、多様性に富んだ歌が並んでおり、書いていて楽しいです。(田坂州代)