閑吟集 〇一三/三一一 閑吟集13
年々(としどし)に人こそ旧(ふ)りてなき世なれ 色も香も変わらぬ宿の花盛り 変わらぬ宿の花盛り 誰見はやさんとばかりに まためぐり来て小車(おぐるま)の 我とうき世に有明の 尽きぬや恨みなるらん よしそれとても春の夜の 夢の中なる夢なれや 夢の中なる夢なれや
閑吟集(全三一一首)を毎日ひとつづつアップしてます。
毎回即興にてご容赦。
中世のいきいきとした歌謡集「閑吟集」は、相手を想わずにはいられない人間の機微、人生の真髄を突くひと言、そのおおらかさについ笑みがこぼれるおちゃめで色っぽい歌まで、多様性に富んだ歌が並んでおり、書いていて楽しいです。(田坂州代)