閑吟集(全三一一首)を毎日ひとつづつアップしてます。
毎回即興にてご容赦。
中世のいきいきとした歌謡集「閑吟集」は、相手を想わずにはいられない人間の機微、人生の真髄を突くひと言、そのおおらかさについ笑みがこぼれるおちゃめで色っぽい歌まで、多様性に富んだ歌が並んでおり、書いていて楽しいです。(田坂州代)
閑吟集 〇六一/三一一 閑吟集61
影恥づかしき我が姿 影恥づかしき我が姿 忍び車を引く潮の 跡に残れる溜り水 いつまで澄みは果つべき 野中の草の露ならば 日影に消えも失すべきに これは磯辺の寄り藻掻く 海人の捨て草いたづらに 朽ちまさり行く袂かな